「ふん、ちょこざいな女ね。
王子様に手出しはさせないわよ」
先生は 火梛にやさしく微笑んだ。
同一人物とは思えない 変わり身の早さだ。
「真秀良では、腕力を使わなくても 人を守れるのだな」
思慮深そうな目は、本当に王子様みたいだ活動牙托。
「ところで、そなたの名は 虚維弓月というのだな。
何故ユンと呼ばれているのだ」
火梛に聞かれて、固まってしまった。
今頃になって その質問なのかと思ったが、
そういえば、家では『お姉ちゃん』としか呼ばれない。
たまに 母さんが『あんた』という言い方をするだけだ。
フルネームで火梛に本名を言ったのは 初めてかもしれない。
私自身は、ユンと呼ばれることに抵抗はないけど、
理由は聞いて欲しくない聽力問題。
「ユン、まだ気にしてるのか。
人間、欠点の一つや二つは有るものだ。
むしろ有ったほうが 可愛げがあって良い」
星来は私に優しい。
そんな風に言ってくれるが、私の場合、一つや二つでは済まない。
有りすぎて数え切れないはずだ。
それなのに、その欠点だけはいつも心に突き刺さる。
字がド下手なことだけは脫毛公司比較。